朗報!細胞の自殺を食い止めない酵素「テロメラーゼ」が見つかった。

新陳代謝の回数を決める「テロメア」の長さを変更する方法は見つかっています。
遺伝子レベルの研究が進んで、実際に見て、操作を加えられることが可能となった現代の研究者が、
テロメアが細胞分裂に大きく関わっていることを既に知っておきながら興味を持たないはずがありません。

驚く女性

テロメアは染色体エンドにあるDNAです。
DNAは4種類の塩基により構成されていますから、テロメアDNAも、他のDNAを読み取ることができるのと同様に可能です。

塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チニン(T)です。
蚕(かいこ)のテロメアの塩基配列は「TTAGG」で、これが繰り返してつながっています。
人も当然決まっています。(個人により違っているらしいです。)

そして、テロメアを伸ばす酵素があって、「テロメラーゼ」と呼ばれています。
研究対象生物のテロメラーゼの塩基配列も判っています。
薬物、生理科学の分野を、この読み物で詳しく話すことはできませんから、「ヒト」ついて、うわべだけ触れておきます。

ここまでで、知っておくことは、

  1. 「テロメアDNA」が染色体両端にくっついていて、それが切り離されることにより細胞分裂のとき、染色体本体を保護していること。
  2. 自然界ではテロメアは固体種ごと同じパターンを繰り返してつながっており、有限数であること。
  3. 使い果たすと細胞分裂は終わること。
  4. テロメアを伸長させる酵素をテロメラーゼと言うこと。

です。

分裂可能回数を「ヘイフリック限界」と呼んでいて、テロメラーゼの活性がこの回数を決めます。
つまり、テロメラーゼの活性が固体の長寿に直結しています。
細胞不死ではなく、新陳代謝可能時間延長による寿命延長をテロメラーゼが担っています。

ヒトのテロメラーゼは4つのユニットで構成されています。
そして、その一つのユニットは451塩基長です。
テロメアの長さによるヘイフリック限界が寿命の原因であるとする説は、「プログラム説」と呼ばれていて、
ヒト・テロメラーゼの研究がプログラム説を裏付ける研究でもあり、人の「不死化」につながる可能性があります。

この研究の最先端にいる科学者3名は2009年にノーベル医学・生理学賞を受賞しています。

ここで言う「不死化」と「不老不死」とは別の物であることを認識せねばなりません。
ここでの「不死化」とは、新陳代謝を終わらせないことによる長寿であるので、
健康が維持されたままの不死である可能性があるということです。
身体が壊れてしまっても死ねない「美女」の話とはまるで違っているのです。